月は明るく 水は碧し
豊かな光に みちあふれつつ
舞い出るおとめ 天女の羽衣
歌ははずみて 限りなく
歌ははずみて 限りなく
我らが千葉は とこ春のくに
千葉の羽衣というのは、全国各地に伝わる羽衣伝承の千葉版のこと。
男と、羽衣をまとった天女の話です。
千葉に伝わる羽衣伝承によると、昔この辺りを治めていた殿様が、
池田の池に降りてきた天女と夫婦になったのだが、
そのことを聞いた時の帝が、その殿様に千葉の姓を与えたそうだ。
千葉というのは池で茂っていた「千葉(せんよう)の蓮」にちなんでいるそうだ。
それから、千葉の羽衣伝承は妙見信仰とも深い関係があります。
多くの羽衣伝承があるが、千葉という名前の由来や、
妙見信仰とも結びついているのは珍しい。
妙見信仰とは、遊牧民の北極星や北斗七星に対する信仰が、
中国において仏教や道教と習合して生まれたもので、
これを人々は「妙見信仰」と呼びました。
千葉一族は古くから妙見様を守り神として大切にしてきました。
千葉の羽衣伝承では、天女は妙見様だったとも言われており、
千葉氏と妙見様の深いつながりが表れています。
県庁前に羽衣公園があるのをご存知でしょうか?
そこには一本の松があって、千葉県の人口が500万人を突破したことの
記念事業の一環として、昭和60年3月に植えられた松なのだそうです。
実はこの松は復元されたもので、先代の松は立派な松だったのですが、
枯れてしまったとのこと。残念です。
また、四街道の不動堂の天井には二人の天女が描かれています。
左の天女は手に何やら鉢を持っており、右の天女は笛を吹いています。
他にも、羽衣神社の石碑(武石町)、樹林寺の夕顔観音(香取市)などもあります。
羽衣伝承ゆかりの地を訪れてみてはいかがでしょうか?
それでは、全国の有名な羽衣伝承を紹介しましょう。
まずは静岡にある三保の松原です。
能の「羽衣」の舞台にもなっています。
天女が奪われた羽衣と引き換えに舞いを舞ったという話や、
男の妻になった天女が隠してあった羽衣を見つけると、
そのまま天に昇ってしまったという話などが伝わっています。
それから、滋賀県に伝わる余呉の羽衣ですが、
これにもいくつか種類があります。
七夕と関連して天女を織姫とする話しや、
白鳥の姿をした天女が近江の豪族の祖と結ばれる話、
二人の子供があの菅原道真であると伝える話などがあります。
千葉の羽衣伝承と似た所がありますね。
実は、羽衣伝承は日本だけではなく世界中に伝わっており、 いろんな特色があるのですよ。